9/24(水)妻への手紙

Yさんは妻の誕生日が近づき、プレゼント選びに悩んでいました。ある日、三人の子供たちと誕生日会の計画を話し合っていると、子供たちは口を揃えて「お母さんに手紙を書く」と言いました。
それを聞いたYさんは、結婚前にしばしば手紙のやり取りをしていたことを思たい出し、久しぶりに妻に手紙を書いてみようと思い立ちました。
日頃は恥ずかしくて言いづらい感謝や労いの言葉を綴っていると、忘れていた思い出が蘇り、心が温かくなるのを感じました。
当日、ケーキとプレゼントに添えて手紙を手渡すと、妻はとても喜んでくれました。目に涙を浮かべながら手紙を読む妻の姿に、Yさんもまた目頭が熱くなるのを感じ、その絆が一層深まったと言います。
デジタル機器でのやり取りが当たり前になった昨今だからこそ、手書きの手紙は新鮮なのかもしれません。取引先へのお礼状を葉書にしたり、時には大切な人へ手紙で思いを伝えたりしてみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ 手書きの魅力を見直しましょう

職場の教養 感想

Yさんは妻の誕生日プレゼントに悩む中、子どもたちの「手紙を書こう」という提案を受け、自身も手紙を書いた。結婚前の往復書簡を思い出しつつ、普段は照れて口にしにくい感謝や労いを文章にすると、忘れていた記憶が甦り心が温かくなったという。誕生日当日、ケーキとプレゼントに手紙を添えると妻は涙ぐむほどうれしがり、家族の絆が一層深まった。デジタル全盛の今こそ手書きの新鮮さが際立つとして、取引先への礼状や大切な人への書簡の効用を勧めている。

小さな和菓子屋の営業・佐藤さんは、得意先の部長へ5,000円の詰め合わせを贈りました。箱は立派。でも返事は「受け取りました」の一行。
翌月、同じ予算でやり方を変えました。中身は3,000円の最中にダウンサイズ。その代わり、カードにこう一文を添えたのです。
「先月の“売れ残りゼロの棚づくり”の工夫、当店でも真似して売上が12%伸びました。ありがとうございます。特に“見切り前の声かけ”が効きました。」
返ってきたのは、最中のお礼だけでなく「今度その棚づくり、うちの新人にも話してくれませんか?」という招待でした。モノは減らしたのに、関係は一歩深まりました。——これが「語り」を贈る、ということです。

比喩で言うと、贈り物(モノ)は“料理”、メッセージ(語り)は“香り”です。料理だけでも食べられますが、香りが立つと「何が良かったのか」が記憶に残り、また食べたくなる。逆に、香りが強すぎると鼻につく=押しつけに感じられます。だから「短く・具体的に・相手のどの行動が良かったか」を一点に絞るのがコツです。

社内でも同じ。
新人の資料が粗かった日、上司のAさんは長文の説教メールを用意しましたが、送り直しました。件名「ここが光ってた」。本文は三行だけ——
「①一次情報に当たった点
②数字の根拠を脚注に入れた点
③締切を守った点」
そして「次は図の見やすさだけ一緒に直そう」。翌週、その新人は自分から提案を持ってきました。高価なご褒美より、“何が良かったか”という語りが、安心して動ける土台(心理的安全性)をつくったのです。

最後に、やりすぎ注意の話。毎日長文の称賛が届いたらどうでしょう。読むのが負担になり、かえって距離が生まれます。語りは「塩」くらいの分量で——少ないけれど、要を射る。これが“押しつけ”化を防ぐコツです。