重利純子さん(J子さん)は、波乱万丈の半生を歩んでこられました。20代にはファッションと音楽に没頭し、ヴィンテージスクーターショップを経営。30代は結婚・出産を経て「キラキラした時代」を過ごしましたが、40代になると夫婦関係の変化、乳がん発症、シングルマザーとしての子育て、さらには子どもの反抗期と、更年期が重なる大きな試練を迎えます。そんな中で出会ったのが倫理法人会でした。
J子さんは最初、周囲の誘いにも入会を見送り、「まだ自分には必要がない」と距離を置いていました。しかし離婚と子育ての困難に直面し、「自分ひとりではどうにもならない、誰かの力を借りなければ」と痛感します。そして「志願兵として」自ら飛び込み、入会を決断しました。その動機は、与えられた義務ではなく「自分から求めて学びたい」という切実な思いからでした。
この「志願兵としての入会」という言葉が心に残りました。多くの人は、人に勧められたり、状況に押されて入会することがあります。それも自然な流れです。しかし、自らの意思で飛び込むとき、その学びはより深く、力強いものになります。
「志願兵」とは、強制されてではなく、自ら望んで前線に立つ人のことです。その覚悟には、自分の人生を変えたいという強い決意が宿っています。J子さんの場合、それは母としての限界を感じ、家庭を守るために必要な学びを求めた行動でした。この背景にこそ「人間の強さ」があります。
倫理法人会は、ただ知識を得る場ではなく、「実践によって変わる場」です。志願兵として入会した人は、与えられた課題をやらされるのではなく、自ら挑戦し、失敗すらも糧にします。その姿勢は、他者の心を動かし、信頼を呼び込みます。実際にJ子さんは、講話者への感想を伝え続ける実践から新しい仕事の縁を得て、組織づくりにも挑戦しました。これは「学びを受け身で終わらせない力」の証明です。
ここで思い起こされるのは、万人幸福の栞 第十七条「人生は神の演劇、その主役は己自身である」です。志願兵として飛び込む人は、舞台の端役ではなく、自らの人生の主役であろうとする人です。困難や批判を恐れず、自分の足で舞台に上がる。その姿は周囲に勇気を与えます。
また、志願兵として学ぶ人は、時間の価値をよく理解しています。J子さんは「倫理法人会は究極の時短」と語られました。毎週の学びと実践の積み重ねが、人生を何倍もの速さで成長させる。だからこそ、待たされるのではなく、自分から掴みにいく姿勢が不可欠なのです。
「志願兵としての入会」とは、自らの人生を自分の意思で変える覚悟を持つことです。誰かに与えられたからではなく、自分が求めて飛び込んだ場だからこそ、学びは魂に届き、実践が続きます。J子さんの生き方は、その強さを教えてくれました。
私たちもまた、自分の人生の主役として、待つのではなく「志願兵」として飛び込む勇気を持ちたいと思います。そこからしか、本当の変化は始まらないのです。