谷口慎治
谷口慎治

LPを作っても「なぜか成果が出ない」と感じたことはありませんか?この記事では、初心者でも成果を出せる“売れるLP”の構成と改善の具体策をまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。

目次
  1. 売れるLPの構成とは?基本の考え方を理解しよう
    1. LPの目的は「コンバージョンを最大化すること」
    2. なぜ多くのLPが成果を出せないのか?
    3. 成果を出すために必要な「3つの視点」
  2. 売れるLPに共通する3つの構成要素とは?
    1. ① ヒーローセクション:一瞬で価値を伝える設計
    2. ② ボディセクション:悩みと解決策をストーリーで伝える
    3. ③ クロージングセクション:信頼・安心・行動導線の最適化
  3. 初心者でも実践できるレイアウト設計のコツ
    1. 視線誘導と情報設計の基本ルール
    2. デザインよりも重要な「構造」の考え方
    3. LP改善で優先すべき3つのチェックポイント
  4. よくあるLP設計ミスと改善ポイント
    1. ユーザー視点の欠如による離脱
    2. 訴求メッセージが抽象的すぎる
    3. 行動導線の曖昧さによるCV低下
  5. 成果を出しているLPの事例分析
    1. 高CVを記録したLPの共通点
    2. BtoB/BtoCで違う成功パターンの理解
    3. 業種別・目的別に見る参考LPまとめ
  6. LP設計に活かせる便利なフレームワーク
    1. AIDCA・PASONA・QUESTなどの活用法
      1. ✅ AIDCA(注意 → 興味 → 欲求 → 確信 → 行動)
      2. ✅ PASONA(問題 → 煽り → 解決 → 提案 → 行動)
      3. ✅ QUEST(問題 → 理解 → 教育 → 納得 → 行動)
    2. フレームワークに頼りすぎない設計思考
  7. LPを改善・検証するための具体的ステップ
    1. ヒートマップ・ABテストの活用方法
    2. KPI設定と定量評価の実務ノウハウ
      1. 【基本KPIの構成】
    3. 初心者がつまずきやすい検証時の注意点

売れるLPの構成とは?基本の考え方を理解しよう

「売れるLPって結局、何が違うの?」という問いに、表面的なデザインやキャッチコピーだけで答えてしまうのは危険です。成果の出るLPには、マーケティングの基本に基づいた明確な設計意図と構造があります。この章では、ランディングページ(LP)の本来の役割と、多くのLPが失敗する理由、成果を出すために意識すべき“3つの視点”について、現場目線で解説します。

LPの目的は「コンバージョンを最大化すること」

まず最初に整理しておきたいのが、LPの目的は「売ること」ではなく「次の一手を取ってもらうこと」だということです。
商品購入、資料請求、無料体験申込など、LPには必ず「1つの明確なゴール(=コンバージョン)」が設定されています。

そのため、LPでやるべきことは「読み手の行動ハードルを下げ、納得させ、迷いを減らすこと」に尽きます。

よくある間違いが、「とにかく情報を詰め込めば説得力が上がる」と考えてしまうこと。これは逆効果です。読者は情報に“圧倒”された瞬間に、読むこと自体を放棄します。

本当に意識すべきは、以下の3点です。

✅ ターゲットの“前提知識”と“温度感”を想定する
✅ 不安や疑問に“先回りして”答える
✅ 行動への心理的なハードルを“見える化”して下げる

なぜ多くのLPが成果を出せないのか?

一見しっかり作り込まれているLPでも、「読者にとっての合理性」が抜け落ちているケースが多くあります。これが、成果につながらない最大の原因です。

たとえば、「強み」が自社目線で語られていたり、「お客様の声」がただの称賛に終始していたり。こうした要素は、読者の決断を支える情報にはなりません。

よくある失敗パターンをまとめると、次のようになります。

  • 訴求軸が複数あって、何が言いたいのか分からない
  • 共感や問題提起がなく、いきなり売り込みに入っている
  • 比較対象が曖昧で、「なぜこれを選ぶべきか」が伝わらない

読者が行動しないのは、「欲しくないから」ではありません。納得できないか、判断が面倒になったからです。
つまり、情報ではなく「構造」と「設計」が原因だと捉え直す必要があります。

成果を出すために必要な「3つの視点」

では、どんな視点でLPを設計すれば、成果につながるのか?
答えは、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを整理することです。マーケティングの王道ともいえるフレームワークですが、LPにおいても例外ではありません。

ターゲット視点(WHO)
誰に向けたページなのかを明確にし、その人が「どんな悩みや期待を抱えているか」を言語化します。想定読者が“自分ごと化”できない限り、先は読まれません。

提供価値視点(WHAT)
その商品・サービスが「他と何が違うのか?」「なぜ今、選ぶべきなのか?」を、“読み手にとっての価値”として伝えます。競合との違いを、「スペック」ではなく「実感」で示せるかが鍵です。

構造設計視点(HOW)
どの順序で、どんな情報を配置すれば、読者が無理なく納得し、最後までスクロールしてくれるか?ここで重要なのが、「情報量」ではなく「情報設計」です。人は論理の流れに納得できると、自然と行動したくなります。

この3つの視点が噛み合ったLPは、読者にとって非常に“ストレスが少ない”ページになります。
逆にどれか1つでも欠けていると、「よく分からない」→「読み飛ばす」→「離脱する」という、典型的な失敗パターンに陥ります。


この章でお伝えしたかったのは、「売れるLP」は偶然ではなく、明確な設計意図によって再現可能だということです。次の章では、その設計意図を具体的な構成要素に落とし込んでいきます。読み進めながら、ご自身のLPと照らし合わせてみてください。

売れるLPに共通する3つの構成要素とは?

「LPの構成はどこまで細かく設計すべきか?」という疑問は、現場でもよく聞かれます。正直に言えば、商品やターゲットによって最適解は変わります。ただ、それでも“どんなジャンルでも共通する基本構造”というものが存在します。この章では、売れるLPにほぼ必ず組み込まれている3つのセクションを取り上げ、それぞれの設計意図と実装ポイントを整理します。

① ヒーローセクション:一瞬で価値を伝える設計

LPで最も重要なのが、このヒーローセクション(冒頭)です。訪問者の7〜8割は、この部分だけを見てページを離れます。つまり、ここで「伝え切れるかどうか」が勝負です。

一瞬で「自分のことだ」と思わせる
何を提供しているのかがすぐ分かる
期待感を持って続きを読ませる

この3点を押さえるだけで、離脱率は大きく下がります。逆に言えば、冒頭のファーストビューで「これは違うな」と思われたら、どれだけ下を丁寧に作っていても意味がないのです。

要素としては以下を基準に設計してみてください。

要素内容のポイント
キャッチコピー読者の悩みや欲求に「ズバッと」切り込む
サブコピーベネフィット(得られる未来)を補足説明
CTA(行動ボタン)「まずは無料で試す」など敷居の低い誘導
メインビジュアル雰囲気・世界観が伝わるイメージ+具体的情報

ここでのコピーライティングは、「うまい文章」ではなく、“ズレてないか”の見極めが重要です。プロのコピーよりも、“読者の頭の中にある言葉”を使う方が成果は出やすいです。

② ボディセクション:悩みと解決策をストーリーで伝える

ヒーローセクションで興味を持ってもらったら、次にやるべきは「なぜこれが必要なのか」を腹落ちさせることです。ここで多くのLPが、“機能説明”だけに終始してしまい、読者の感情や納得を置き去りにしています。

ボディセクションでは、読み手の「なるほど、それなら欲しいかも」という納得感を育てるストーリー構造が求められます。

具体的な流れとしては、次のようなパターンが機能しやすいです。

  1. 悩み・課題の共感:「あなたもこんなことで困っていませんか?」
  2. 失敗のあるある紹介:「よくある解決策は実はうまくいかない」
  3. 独自の解決策の提示:「なぜこの商品・サービスは違うのか?」
  4. ベネフィットの具体化:「実際にどう変わるのか」「どんな未来が待っているか」

読み手の頭の中で、「あ、これは自分にとって必要なものだ」という感情と論理の一致が起こると、次の行動へ進む準備が整います。
ポイントは、スペックや機能ではなく“変化”を語ること。読み手がイメージしやすいストーリー構造に落とし込んでください。

③ クロージングセクション:信頼・安心・行動導線の最適化

読者が「興味はあるけど、どうしようかな」と感じている最後の関門がこのクロージングパートです。ここでやるべきことはシンプルで、“納得してもらい、不安を取り除き、決断を後押しすること”です。

「自分でも大丈夫か?」という不安に答える
「今、行動すべき理由」を明確にする
「後悔したくない」という心理に寄り添う

このパートに入れたい要素をいくつか挙げておきます。

  • よくある質問と回答(Q&A):読み手の“躊躇”を見越して先回り回答
  • 第三者の声(口コミ・事例):説得ではなく“共感”で後押し
  • 返金保証・無料体験などの保証要素:行動への心理的ハードルを下げる
  • 明確で具体的なCTAボタン:「今すぐ無料登録」「〇〇を始める」など、行動を視覚化

特に意識してほしいのは、「読み手の頭の中にある“最後のひとこと”を自分から語ること」です。信頼感や納得感は、ディテールで決まります。


ここまで見てきたように、売れるLPには“決まった型”があるわけではありませんが、成果を生む構造には一定の共通点があります
特に、「最初の数秒で興味を引き」「読み進めたくなり」「納得して行動したくなる」この3ステップが機能しているLPほど、コンバージョンが高くなる傾向があります。

次章では、この構造をどう実務で再現するか──初心者でも実践できるレイアウト設計のコツを、より細かく掘り下げていきます。

初心者でも実践できるレイアウト設計のコツ

「LPの構成は理解できたけど、実際どうレイアウトすればいいか分からない」──これは多くの現場で直面する課題です。特に初心者の方ほど、デザインや見た目に気を取られがちですが、大切なのは“どんな順番で、どう配置するか”という構造の設計です。この章では、専門的なスキルがなくても実践できる「視線誘導」「構造思考」「改善ポイント」にフォーカスして、現場で再現できる具体的な考え方をお伝えします。

視線誘導と情報設計の基本ルール

LPで成果を出すためには、「読み手の視線が自然に導かれる構造」が必要です。見た目の派手さよりも、“どこから読ませて、どこで行動させるか”を意識することが先です。

以下は、基本となる視線設計のルールです。

左上から右下に流れる「Z型」「F型」視線を前提にする
重要な訴求は“第一印象”で伝える(ファーストビュー勝負)
ボタンやCTAの位置は“迷わず押せる位置”に配置する

また、情報設計の面では、「伝えたい順」ではなく「相手が知りたい順」に並べることが大原則です。

たとえば、次のような順番が有効です。

  1. これは誰に向けたサービスなのか(共感)
  2. 何が解決できるのか(価値)
  3. なぜそれが実現できるのか(根拠)
  4. 他と何が違うのか(差別化)
  5. 実際の体験者はどうだったのか(信頼)
  6. 今すぐ行動すべき理由(動機付け)

この流れを視線の動線とセットで考えることで、読まれる設計=反応される設計になります。

デザインよりも重要な「構造」の考え方

LPで成果を出せるかどうかは、実はデザインの上手さでは決まりません。もっと根本にある「構造」が整っているかどうかが、成果を左右します。

ここでいう構造とは、「情報の順序」と「意味のつながり」です。

たとえば──

  • “悩み”の後に“解決策”が来ているか?
  • “効果”のあとに“根拠やデータ”が来ているか?
  • “読み手の不安”に“保証や事例”で答えているか?

このように、1つ1つの情報が「なぜこれが次に来るのか?」と筋道を立ててつながっていくことが、読者の納得を生む鍵になります。

デザインは「構造を正しく伝えるための手段」に過ぎない
どれだけ綺麗でも、構造が破綻していれば読者は動かない

構造とは、「誰が見ても納得できる論理の流れ」のことです。初心者こそ、先に構造から作ることで、自然と“読まれるページ”になります。

LP改善で優先すべき3つのチェックポイント

「LPを作ったはいいけど、なぜ成果が出ないか分からない」──そう感じたときは、まず以下の3点をチェックしてみてください。

  1. ファーストビューで「何のページか」が一目で分かるか?
     → 画像やキャッチコピーに頼りすぎていないか?説明が先か?
  2. スクロールしたくなる「次の一言」が置かれているか?
     → キャッチだけで止まっていないか?見出しが引きになっているか?
  3. 最後の「決断ポイント」で迷わせていないか?
     → 行動導線が分かりやすいか?不安を放置していないか?

特に重要なのが「決断直前の迷い」への対応です。多くのLPは、ここで“あと一歩”を逃しています。

✅ 「他の人はどうなんだろう?」という疑問にレビューで答える
✅ 「失敗したら嫌だな」という不安に保証で答える
✅ 「自分に合ってるのかな?」という疑問にQ&Aで答える

このように、“読み手の心の動き”を想像しながら構成をチェックしていくことが、改善の出発点になります。


レイアウトや構造は、センスではなく「再現性のある技術」です。
デザインに詳しくなくても、読者の視線と感情の動きを理解し、それに沿った情報設計ができれば、成果につながるLPは必ず作れます。
次にやるべきは、「自社や自分のLPにこの構造をどう当てはめるか?」です。この記事で学んだ視点を、ぜひ現場で具体的に落とし込んでみてください。

よくあるLP設計ミスと改善ポイント

LPを作ったけれど反応がない。思ったよりCV(コンバージョン)が伸びない──。その原因は、見た目やコピー以前に「構造や視点」に潜んでいることがほとんどです。この章では、特に現場で頻出する“設計上のミス”を3つに絞り、それぞれの改善ポイントを実務ベースで解説します。どれも初心者が陥りやすいものですが、逆に言えば、ここを直すだけで成果は劇的に変わります。

ユーザー視点の欠如による離脱

最も根本的かつ致命的なミスが、「作り手目線で書かれていること」です。
プロダクトの魅力、強み、自信…それ自体は悪くありませんが、
「それ、ユーザーから見てどうなの?」という視点が抜けていると、一気に離脱を招きます。

たとえば──

  • 「当社は創業30年の実績があります」 → ユーザーは「自分にどう関係あるの?」
  • 「圧倒的な性能で業界No.1」 → 「何がどう“圧倒的”なのか分からない」

こうした自社目線の情報は、“誇り”としては良くても、“説得材料”としては弱いです。

ユーザーの「悩み」から出発して語る
先に“共感”、次に“提案”が基本構造
社歴や実績は「だから安心できる」という文脈で出す

自分たちの話ではなく、「相手の文脈」で語れているか?を常に確認しましょう。構造においても視点においても、“自分語り”はCVの最大の障壁です。

訴求メッセージが抽象的すぎる

「他と何が違うのか、結局よく分からない」──これはユーザーの脳内で最も起こりやすい“違和感”です。そして、その原因の多くが抽象度の高い訴求です。

たとえば、こんなフレーズを見かけたことはないでしょうか?

  • 「業界初の新技術を採用」
  • 「使いやすさを追求した設計」
  • 「あなたの未来を変える〇〇」

こうした表現はキャッチーに見えて、読者の理解や納得にはつながりません
重要なのは、「どう便利?」「どんな未来?」を具体的に描写することです。

✅ 「業界初」ではなく「他社にない〇〇機能で××ができる」
✅ 「使いやすさ」ではなく「誰でも3クリックで完結」
✅ 「未来が変わる」ではなく「営業成績が2倍になった」

つまり、“数字・体験・ビフォーアフター”で語れるかが勝負です。抽象ワードを見つけたら、「それって具体的にどういうこと?」と自分に問い直してみてください。

行動導線の曖昧さによるCV低下

最後に多いのが、「いい感じにまとまってるけど、何すればいいのか分からない」というケースです。LPとして一番もったいない失敗がこれです。

原因はシンプルで、行動導線(CTA)が曖昧だからです。

  • CTAボタンが目立たない位置にある
  • アクションの内容が不明確(何が起こるか分からない)
  • タイミングや頻度が合っていない(途中にしかない or 最後にしかない)

ユーザーは、「納得すれば自然と動いてくれる」わけではありません
納得した上で、「今動く理由」と「動きやすい導線」があって、初めてクリックにつながります。

各セクションの終わりに1つCTAを置く(複数回登場させる)
「無料」「30秒で完了」など心理ハードルを下げる文言を添える
CTAボタンは見た瞬間に内容が分かるようにする(例:「無料資料をダウンロード」)

LP改善の最優先ポイントは「CTAをどう配置し、どう表現しているか」です。
ここを改善するだけで、構成やデザインを変えなくてもCV率が跳ねることはよくあります。


LPが成果を出さない理由の多くは、「難しいからできない」ではなく、「基本がズレている」からです。
ユーザー視点の欠如、抽象的な訴求、曖昧な導線──この3つのミスを避けるだけで、あなたのLPは“成果が出る構造”に一気に近づきます。

次にやるべきは、「自分のLPにこのミスがないか?」をチェックリスト形式で確認すること。そこから改善の一歩が始まります。

成果を出しているLPの事例分析

「成功しているLPは、具体的に何が違うのか?」──これは施策立案時に必ず出てくる問いです。机上の理論やテンプレだけではなく、“実際に成果が出た構成や設計の実例”から学ぶことは非常に有効です。この章では、高CV(コンバージョン)を記録したLPの共通点を明らかにしつつ、BtoB・BtoCの違いや業種別の傾向も踏まえた分析を行います。真似すべきポイントと、陥りがちな落とし穴を同時に整理しておきましょう。

高CVを記録したLPの共通点

数字で成果を出しているLPに共通するのは、「シンプルさ」と「納得感」です。

数多くの実績データを精査すると、CVが高いLPほど、以下の特徴を押さえているケースが目立ちます。

ファーストビューに「誰向けか・何が得られるか」が明確
“読み手の変化”を軸にストーリーが構成されている
共感→課題→解決→信頼→行動 の流れが崩れていない
CTAの数や配置が適切(目立ちすぎず、埋もれてもいない)
「今すぐ申し込む理由」を感情ではなくロジックで用意している

逆に、デザインや表現はLPごとに違っていても、構造のロジックはかなり似通っていることが分かります。つまり、成果を出すための「型」は確かに存在します。

また、“誰にとってもすごい”より、“ある特定の人に刺さる”設計のほうがCV率は高い傾向にあります。抽象的な訴求より、「〇〇なあなたへ」と明言しているLPは離脱率が低く、読了率も高くなる傾向があります。

BtoB/BtoCで違う成功パターンの理解

LPの構成設計は、BtoB(法人向け)かBtoC(個人向け)かで大きく異なります。成功パターンの違いを知ることで、無駄な試行錯誤を減らせます。

項目BtoB向けLPの特徴BtoC向けLPの特徴
読者の温度感低〜中(情報収集段階が多い)高め(今すぐ買いたい人も一定数いる)
説得材料導入実績、機能比較、コストメリット使用感、口コミ、感情的ベネフィット
CTAの内容資料請求、デモ依頼、無料相談購入、トライアル登録、LINE追加など
成功パターン信頼構築型(「情報の厚み」重視)ストーリー型(「共感と欲求の喚起」重視)

✅ BtoBでは、「判断の根拠となる情報の厚み」が鍵になります。数字、比較表、事例、料金体系など、客観的な判断材料を揃えることがCV向上のカギです。

✅ BtoCでは、「共感」と「自分ごと化」が最重要です。生活や感情にどう作用するか、実際に使った人の声で臨場感を出せるかが勝負になります。

つまり、「誰が」「なぜ」このLPを見るのかを想定せずにテンプレで作ると、まず成果は出ません。
BtoB/BtoCそれぞれに求められる“説得の文脈”を設計段階から意識することが必要です。

業種別・目的別に見る参考LPまとめ

ここでは、具体的な業種や目的別に、よくある成功パターンを簡単にまとめておきます。自社のLPと近い形を探して、構成のヒントにしてください。

業種・用途成功パターンの構成要素例
SaaS(業務支援)問題提起 → 導入効果 → 導入企業事例 → 資料請求(BtoB型)
健康食品共感 → 使用者ストーリー → 効果説明 → 保証・キャンペーン(BtoC型)
オンライン学習悩みの可視化 → 解決策の提案 → 他サービスとの違い →体験登録
美容・コスメ使用前後比較 → 顧客の声 → 成分・根拠 → LINE登録・特典案内
保険・金融ライフシミュレーション提示 → 不安の言語化 → 無料相談導線

✅ ポイントは、「成功パターンをそのまま真似する」のではなく、“読者の認知段階”と“決断ハードル”をどう設計しているかを読み取ることです。


成果を出しているLPには、必ず“売れている理由”があります。それは見た目の華やかさではなく、「誰の、どんな意思決定を支援するか?」を徹底して構造に落とし込んでいるかです。
テンプレやツールだけに頼らず、構造と視点の再現性を見抜く目を持てば、自社に最適なLPも必ず設計できます。
事例を「真似る」のではなく、「戦略に翻訳する」。この視点こそ、現場で成果を出すために最も重要です。

LP設計に活かせる便利なフレームワーク

「LP設計に使えるフレームワークってありますか?」という質問は、特にマーケティング初心者からよく聞かれます。確かに、フレームワークを使うことで構成の“型”が見えやすくなり、設計ミスを減らせるというメリットがあります。ただし、形式に頼りすぎると、かえって「伝わらないLP」になる危険もあります。この章では、代表的な3つのフレームワークの活用法と、実務で成果につなげるための“使い方のコツ”を解説します。

AIDCA・PASONA・QUESTなどの活用法

まずは、LP構成で使われる代表的なフレームワークを3つ紹介します。それぞれの特徴と使いどころを押さえることで、「どの構成がいま必要か?」の判断がしやすくなります。

✅ AIDCA(注意 → 興味 → 欲求 → 確信 → 行動)

もっとも王道の構成モデルで、「読み手の心理状態の変化」に沿って設計できる点が強みです。

  • Attention(注意):キャッチコピーやビジュアルで注目を集める
  • Interest(興味):共感や課題提示で「自分ごと化」させる
  • Desire(欲求):ベネフィットを具体化して「欲しい」と思わせる
  • Conviction(確信):データや証拠で「失敗しない理由」を伝える
  • Action(行動):わかりやすいCTAでスムーズに誘導する

特にBtoCや商材単価が低いものに強いモデルです。心理的な流れをなぞることで、感情→行動への自然な導線が作れます。

✅ PASONA(問題 → 煽り → 解決 → 提案 → 行動)

コピーライティング系の構成として有名ですが、LPでも十分に活用可能です。

  • Problem(問題):読者の悩みを言語化する
  • Agitation(煽り):そのまま放置することで起きる悪影響を伝える
  • Solution(解決):商品やサービスで解決できることを明示
  • Narrow down(絞込):対象や期間などを限定し、特別感を演出
  • Action(行動):明確なCTAで次の行動へ導く

特に健康・美容・教育など、“変化”を提供する商材との相性が良いです。悩みを深掘りしやすいため、共感→決断の流れが作りやすいのが特徴です。

✅ QUEST(問題 → 理解 → 教育 → 納得 → 行動)

BtoB向けの情報商材や、ある程度の“思考コスト”が必要なジャンルでよく使われるモデルです。

  • Qualify(問題提起)
  • Understand(読者の状況理解)
  • Educate(問題の背景・解決策の教育)
  • Stimulate(欲求喚起・証拠提示)
  • Transition(行動へ移行)

読み手が“調べながら考えている”段階のときに特に有効で、ホワイトペーパーDLやサービス比較、業務効率改善系LPなどで活用されています。


どのフレームワークを使うにしても、以下の前提を忘れてはいけません。

読み手の“状態”に合わせて選ぶ(いきなりDesireを語っても読まれない)
構成は“文脈”で決まる(業種や目的、ユーザーの温度感によって使い分け)

つまり、「どの型が流行っているか」ではなく、「どのストーリー構成が最も納得されやすいか」で選ぶべきということです。

フレームワークに頼りすぎない設計思考

ここで一番伝えたいのが、「フレームワークに“頼る”のではなく、“使いこなす”という視点が必要」だということです。

LPが成果を出すかどうかは、どのフレームワークを使ったかではなく、“どれだけユーザー視点で設計されているか”に尽きます。

✅ フレームワークは「構造を整理するためのツール」にすぎない
✅ 本当に設計すべきは、「誰が、どの順で、どう納得するか」のプロセス
✅ フレームワークに沿って作ったけど成果が出ないときは、「ユーザー理解が甘い」のが原因

たとえば、PASONA型に沿って「問題→解決→提案」と並べたとしても、読者がその“問題”に共感していなければ、まったく響きません。逆に言えば、共感度が高ければ、形式にこだわらず伝わります。

つまり、成果を出すLPは、「型の再現」ではなく「構造の設計意図」によって成立しているということです。


フレームワークは、設計の精度を高める“ガイドレール”です。ただし、頼りすぎると逆に“読者の現実”からズレる危険もあります。
本当に成果を出すためには、フレームワークの背景にある「人がどう判断し、どう行動するか」の構造理解が必要です。

テンプレをなぞる前に、まずはユーザーの気持ちと行動を丁寧に想像すること。それが、LP設計の原点であり、最大の近道です。

LPを改善・検証するための具体的ステップ

「とりあえず作って終わり」ではLPは成果につながりません。実際に公開してから“改善し続けること”こそが、CVを上げる唯一の方法です。この章では、ヒートマップやABテストといった定番ツールの使い方から、KPI設計の考え方、初心者がやりがちな落とし穴まで、実務で役立つ改善・検証プロセスをステップごとに解説します。PDCAではなく“PDDA”(Do→Data→Decide→Action)の意識がポイントです。

ヒートマップ・ABテストの活用方法

LPの改善において、「感覚」や「勘」は危険です。ユーザーの行動を“見える化”して、データに基づいて判断することが成果につながります。

まず活用すべきがヒートマップツールです。

どこまでスクロールされているか(離脱ポイント)
どこにマウスカーソルが集まっているか(注目エリア)
どのリンクやボタンがクリックされているか(導線の評価)

これらを見るだけでも、「意外と読まれてない」「CTAが見逃されてる」といった“構造の欠陥”が見えてきます。改善の第一歩は「事実を見ること」です。

次に重要なのがABテスト。以下のように、「1回のテストで1要素だけ変更する」ことが基本です。

テスト対象具体例
キャッチコピー問題提起型 vs ベネフィット訴求型
CTA文言「無料体験」vs「30秒で登録完了」
ファーストビュー人物写真あり vs イラストのみ
導線位置CTAを冒頭だけ vs 各セクションごとに設置

✅ テストは「デザイン一新」ではなく「要素ごとの仮説検証」
✅ テスト期間・アクセス数が一定ないと結果は参考にならない

ABテストは「変えてみて、どっちが良かったか」ではなく、「なぜ差が出たのか?」という仮説の検証手段だという意識が大切です。

KPI設定と定量評価の実務ノウハウ

LPの改善で「何を見ればいいか分からない」という声は多いですが、見るべき数字は明確です。

【基本KPIの構成】

  • 表示回数(Impression)
  • クリック率(CTR)
  • スクロール率(Scroll Depth)
  • フォーム到達率(Click to Form)
  • CVR(コンバージョン率)

CVRだけに着目していると、どこに問題があるか見えません。「どこで止まっているか」をセクション単位で数値分解することが重要です。

たとえば──

  • CTRが低い → タイトルやサムネが弱い
  • フォーム到達率が低い → CTAが見づらい、誘導が弱い
  • フォーム到達後のCVRが低い → 入力項目が多すぎる、不安が解消されていない

また、目標KPIは「業界平均」ではなく、「前回比+仮説ベース」で設定する方が精度が高まります。

✅ KPIは「行動の分解」と「課題の特定」に使う
✅ 初期段階では“理想値”より“現実のボトルネック”を重視

数値で原因が特定できるようになると、「何をどう変えるか」の意思決定がぐっと早くなります。

初心者がつまずきやすい検証時の注意点

最後に、LP改善フェーズで初心者がよく陥る“つまずきポイント”をまとめておきます。

テスト項目を一気に変えすぎる
→ 結果が出ても“何が要因か分からない”。変更は1つずつ。

改善案が“自分の好み”になってしまう
→ 視点は常にユーザー基準に。データと仮説がない改善はただの模様替えです。

十分なアクセスがないのに判断してしまう
→ ABテストは最低でも数百アクセス〜1,000件以上が目安。

改善後の“振り返り”をしない
→ やりっぱなしは改善になりません。「どの仮説が当たったか?」を言語化することで再現性が生まれます。


LP改善は、「分析 → 仮説 → 実行 → 評価」の繰り返しでしか成果は出ません。
ですが、難しく考える必要はありません。1つずつ試して、結果を“意味のあるデータ”に変える。それだけで、LPは確実に強くなっていきます。

現場で迷ったら、「今どこでユーザーが止まっているか?」を一緒に見直す。そこから、改善は必ず始まります。